災害に強い交差点「環状交差点」
皆さんは環状交差点(ラウンドアバウト)というものをご存じだろうか。
「環状交差点」とは遠景の交差点のことであり、平成26年9月の道路交通法改正により誕生した新しい交差点である。
もともと、円形の交差点は多く存在していたが、場所により通行ルールが異なっていた。
その中で通行ルールを統一したものが「環状交差点」である。
環状交差点の通行ルールは関係機関のサイトを参考にされたい。
静岡県/ラウンドアバウト(http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-210/rab.html)
平成26年9月1日に施行/静岡県警察(http://www.pref.shizuoka.jp/police/anzen/jiko/kotsuho/h261213kaise.html)
また、法改正後の免許証更新で説明を受けていることだろう。
環状交差点の特徴として「車輌の通行部が環状である」、「信号機が不要」、この2つが挙げられる。
ここで注目したいのが「信号機が不要」ということだ。
そのため、災害などによる停電時でも円滑な交通の維持が期待される。
先月(平成30年10月)初旬に発生した台風による中部電力管内での大規模な停電時にも渋滞に巻き込まれることなく通常通り通行できた。
(焼津市、菊川市の環状交差点を実際に通行した。そもそもの通行量が少ない為、当然である。)
現在静岡県内では、4箇所が環状交差点として指定を受けている。
焼津市関方
法改正前に社会実験として導入された。
県道213号焼津岡部線から外れた市道の交差点。
菊川市柳
菊川駅北の大通りえんてつ通りとJR東海道線の線路に挟まれた住宅街にある。
そのため地域住民(とそこに用事のある者)しか通行しない。
もともとロータリー交差点だったものを整備して環状交差点に指定された。
幹線道路から流入してきてそのまま環状交差点に至る、また住宅街としての規模を見ても上記の環状交差点よりも交通量は多い印象。
富士宮市上井出
県道414号富士富士宮線と市道の交差点
県内唯一の県道上の環状交差点。
県内唯一の三差路の環状交差点。
このほかに、現在建設が進められている新東名高速道路「新磐田スマートインターチェンジ」にも環状交差点が導入される予定となっている。
南伊豆町のエラー標識
皆さんはエラー標識というものをご存知だろうか。
エラー標識とは(その多くが)誤字脱字のある標識のことを言う。
上の県道121号南伊豆松崎線のヘキサが今回紹介するエラー標識なのだが、どこがおかしいかこの画像だけで解る人はいないだろう。
実は、標識が立てられている所がおかしいのだ。
この標識が立てられているのは以下の地図の通り
地理院地図を加工、赤丸の位置に標識がある。
県道119号下田南伊豆線との重複区間の終点付近であり、県道119号線上にあるのだ。
しかし、その路線上に無いおにぎりやヘキサ自体は珍しくない。
このように赤矢印の補助標識とセットで前方の交差道路を示す役割を果たしている。
では、この県道121号線のヘキサがどのように立っているのかを見て頂こう。
県道121号線(あるいは重複区間)を進んできて県道119号線単独区間へ曲がったものを待ち受ける標識がこれである。
交差点から見た様子がこうなっているので「これから進む道は県道121号線ですよ。」と標識が教えてくれる形になっている。
もちろん県道119号線である。
Googleストリートビューでは2012年6月当時の様子を見ることができる。
ストリートビューでは問題の標識は正しく県道119号線のヘキサであることがわかる。
そしてその後拡幅工事が行われて標識が付け替えられた、つまり施工ミスであることがわかる。
ちなみに重複区間にはこんなだんご標識も存在する。
当然、進行方向によって路線が違うということはない。
駿河湾フェリー、今年度で撤退へ
本題へ入る前に
ブログタイトルから察する人もいるかもしれないが、このブログでは道路ネタ(そして主に県道)を取り上げるつもりだ。
では何故フェリーのニュースを取り上げるのか?
それは清水-土肥を結ぶこの駿河湾フェリーが県道223号線に認定されているからだ。
県道223号清水港土肥線は2013年に認定された。
そして、この県道223号線は以下の特徴を持つ。
①県内唯一の海上県道である。
②整理番号の割り当てが特殊である。
③道路そのものが観光資源となっている。
①についてはそのままであり、説明は不要だろう。
②静岡県道の整理番号の割り当てのは、他の路線が存在している(していた)番号は避け、今存在している最大の番号の次の番号が割り当てられる、という
ルールがある。
例えば今後新たに県道が認定されるならば、主要地方道なら89号線、一般県道なら418号線となる。
県道223号線が認定された2013年にはすでに417号線まで存在したのでこれまでのルールに従うなら『県道418号清水港土肥』となる。
しかしちょうど欠番であった223号線が割り当てられた。これが③道路の観光資源化につながる。
富士山を眺めながら県道223(ふじさん)号線で海を渡り伊豆へ行く。そんな語呂合わせで認定された223号線。
観光資源である以上県道としてはめずらしくグッズが存在している。特別なデザインのヘキサ(一番上の写真、売り物ではないが)、そのデザインのステッカーやらが船内で売られている。
土肥港の方が県道を推している
県道の紹介はこのくらいにして本題へ入ろう。
5月25日エスパルスドリームフェリーが2019年3月末で駿河湾フェリーから撤退すると発表した。
撤退の背景には「天候等外的要因に集客が左右される」「燃料費の高騰」がある。
いまだに掲げられている県道開通の横断幕
ここで疑問に思ったことは
駿河湾フェリーが廃止された場合県道223号線は廃道となるか?
通行が不可能となった道路の最期が廃道である。
廃道の正しい手続きとして「供用の廃止」の告示が出される。
供用とは簡単に言えば”誰でも自由に通行できる”ということだ。
しかし海上県道である223号線は全線「未供用」という扱いになっている。
つまりフェリーが廃止されても「供用の廃止」の告示が出せず県道はそこに残るということだ。
県内大手の鈴与グループが匙を投げるのだから駿河湾フェリーを引き継ぐ企業が現れるとは考えにくい。
駿河湾フェリーの廃止はほぼ確実だろう。
行政はどういう対応をするのか、そして海上の廃道に廃道マニアはどのような動きを見せるのか。
これらの動向に注目したい。
県道熱海大仁線と市道の振替がおこなわれました
今年4月1日県道熱海大仁線の一部区間が市道へ降格し、同時に並行する市道が県道に昇格した。
こんな珍しいイベントが事前に熱海市のサイト上で告知された(
http://www.city.atami.lg.jp/kurashi/douro/1000929/1004971.html
)だけでひっそりとおこなわれた。
まず、熱海大仁線とは・・・熱海市下多賀から山伏峠を通り伊豆の国市大仁、伊豆市へ至る整理番号80の主要地方道である。
伊豆半島中央と東伊豆を結ぶ県道はいくつかあるがその殆どは峠を通るルートとなっている。
それが”険道”と言われれば峠道が険道区間なのだろうと思うのが一般的だ。
しかしこの熱海大仁線の険道区間は山道に入る前の住宅地なのである。
そして今回振替がおこなわれたのもこの区間である。
これは上のリンク先に掲載されている地図だ。
赤く塗られている道がこれまで県道だった区間、緑で塗られている道がこの度昇格し県道となった区間だ。
これは市のサイトに掲載するうえでわかりやすい様に色分けされているが実際の地理院地図はこうだ
すでに振替後の経路が県道として色分けされている。
(記事作成現在googleやゼンリンの地図はまだ旧道のままである)
地理院地図のみで確認できるこの振替、現地はどうなっているのだろうか。
まず振替の起点を見てみよう。
上が振替前、下が振替後
国道135号を背に右折が旧道、直進が新道である
そとばを外したのかと思ったが実際は
向きが変えられているだけだった
途中にある青看
後付けのヘキサがなぜか矢印に重なるのではなく、横にいる
振替区間終点、つまり旧道と新道の合流地点はこんな感じだ
上が振替前、下が振替後
先の青看と違い上から新たに貼った形跡がなく青看ごと替えられていることがわかる。
国道へ行くなら右方向というのは変わらない。
そして一歩引いたところにヘキサがいる。